兵役前の言葉
まっててね―
「『まってる 』」
女Bは、ずももも、という言葉をバックにゆらりと頭を上げた。
「そう言っていた絆、どこいった?」
頭をかく。
「集客とか、すごいことかもしれんけど、なんでそんな(公演)多くした?ていうか。
ファンの一生懸命さが、二人に伝わらない。追いついてない。
新しいファンとかおってもさ、おってもさ」
女B、少しためてから、
「今までファンがおるわけよ!」
そう、新しいファンもいれば、昔からのファンもいる。
でも会場はシン。
盛り上がりに欠ける。
あの熱いファンたちは、どこへ行ったの―!?
「掛け声も弱弱しいし!二人のMCがは始まって、じゃ、次の曲!ていくじゃん?
で( ゚ ρ ゚ )ボー……」
女Bは、恐らく会場で目にした、ボーっとしたファンの顔をまねる。
「東方神起のコンサートでぼーっとしてんじゃねえーよ!!」
テレビ番組『チコちゃんに怒られる』、じゃないけどさ、と女Bは言う。
「クラシックじゃないのよ!」
くらしっくじゃないんだから
くらしっくじゃないから!
女Bの言葉が私の脳内に……今日夢に出てきそう。
「二人の公演数が良い事に、さ、もっとこう……もっとこう、いくら心が広い二人でもさ、反応が無いと」
みなさんきいてますか
「って」
これはチャンミンが言った言葉である。
女Bは、本当に悔しそうだ。
なるほどね~。やっぱりファンだねぇ。
「目ぇ覚ませ!めぇさませえ!!!て」
女Bは、ビンタの素振りをして、
「一人一人ビンタしていきたい」
と言った。
すごい……
「たとえ、大きな声出して、新しいファンとかその気で来たんじゃないとかの人に、笑われてもさ、その分拍手とかさ……もし―」
女B、は続けて、
「おおきな声が恥ずかしいとか、もし本当にそんなんならさ、なんかの軍隊のパレードじゃないんだからペンラ振ってるだけとか、ありえないから!やめちまえよ!」
女Bの頭の中に、急に昔の、湧いていた会場の瞬間が甦った。
「兵役前、一番最後のいっちばん最後の、『WITH』……どんだけ私らが必死になったとお思うの」
雨の中待ったり、
並びに走ったり、
チャームのために試行錯誤して。
「…………一番最後の時だけ、なんて、情けない」
女Bはこの言葉を終始繰り返した。
!!☆ ちなみにこの時点で三十分近く経とうとしている。 ☆!!
「オーラスは案の定むちゃくちゃ盛り上がった」
オーラスとは、オールラストの略で、最後の公演の事である。
例えば、仮に「各地3公演が福岡、福井、東京の順」だとすると、「福岡3日目最後の日ではなく、東京3日目の事」である。
「そんなにできるのに、なんで今まで『うわー!』って声出す人いたら、こうやって―」
女B、会場で見たらしい意地悪な人の視線をまねる。
「チラチラ見たり笑ったりとか?」
彼女はうなずいて、はぁ、と溜息をついた。
「何、お高くとまってんだよ!」
叫んだ……
「恥ずかしいとか!だからそういう事も心配してたのよ!!!」
アリーナで決めたり席や日程を決める、過密スケジュールを決めるのは会社かもしれない。
それは女Bも分かっている。
「けどさ、その辺も考えてほしい」
盛り上がりに欠けてしまうファンを作ってしまう公演の設定の事である。
「地方で3公演。観客との距離が近いとかは良い。でも、さぁツアーやるぞっていう二人の一生懸命さが、ファンが追い付いて来ていない」
地方は、新潟、宮城、広島、福井などのことだ。ただ、広島は比較的盛り上がるそうだ。
「ただ、そのたんびにガッカリするわけ」
声出して、何この人、と見る人。
私は神話の巨人アトラスを思い出した。あまりに大きな地球を一人で支え続けている巨人の話である。女B!よ、ファンにしてはちょっと荷が重すぎやしませんかね?!
私が思うに、彼女は真剣なファンで、事態を重く受け止めているという事か。
「二人の気持ちが向かっている方向は、ファンしかいないでしょ?!」
息巻く女Bを観ながら、私は思う。
「二人はいつも頼りにさせて下さいって、何度も言ってる。なんで応えようとしないの?なんで必死にならないの?!」
ビギストはもうちょっとファンの在り方について考えた方が良い―
これが今回語った女Bの結論だった。
彼女は言う。
―過去とかじゃなくて、二人の今の姿を全力で応援する。
「二人が好きなんならさ、二人のモチベーションが保てるような、ファンが引っ張っていくような気持ちで。
東方神起の動き、二人の将来が変わっていくんだから」
仕事の方向性のことである。
「この危機感がひしひしと感じた。イスで背もたれついて、こうやってさ、二人がなんかしてくれるのを待ってるようなさ……もっと背筋のばして二人を追いかけなきゃ!
まったくなさけない
同じファンとして悲しい
それを感じるアリーナツアーだった―
ビギストの凄さを感じた時もあった。でも今は在り方」
「なるほど。深い」
女B、ふぅ、と一息ついてから、
「全部この目に焼き付けよう、て気持ちで観た。よくやり抜いた~」
改めて二人をほめる女B。
パチパチパチパチ!
と拍手をしながら、
「途中で二人もだれることなく、内心公演多いな、と思ったかもしれんけど、さすが東方神起でここまでやってきたなって。常に尊敬して、応援したいなって思った」
そこまで言うと、女Bはやっと
「あ~」
と
お茶飲む。
「ふぅ」
「あ、15分喋った」
「……」
簡単に、てゆったのに。
ちなみに15分じゃないよ、45分だよ。
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最後に。
女B,少し前の話だったので、若干誤作動が、以下の話の障りに生じていた。
「走りぬいたって感じ……今までで初めてかな。3公演あったの。。。ん?待てよ???……東京が12月と?どっちも年をまたいでやったか?京セラは年をまたいでやったんだけど……」
以上ちくりでした。
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みなさん、お楽しみいただけましたでしょうか??
次回!お楽しみに。
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